大学受験サロン

このブログでは主に大学受験に関する情報や志望校合格のための勉強のコツなどを書いていきます!自学スタイルだった僕なりの参考書の使い方やスケジュール管理なども書いていきます。

志望校を変更する基準って??第一志望を下げれば余裕で合格!?その考えちょっと待った!

受験生にとって志望校選びはとても大切です。受験の成否のみならず、人生をも大きく左右しますからね。それなのに・・・

「東大むずそうだから京大でいっか〜〜」とか、

「数学無理だし私立に変えれば余裕でしょ!」とか、こんな考えを持っている受験生、多いのではないでしょうか。保護者の方も、子供さんがこのように安易に志望校を変えようとしている姿を見たことがあるのでは??

・・・人間は楽な方に流れようとします。そうして考え方まで安易になってしまうのは本当に危険なんです。今回は志望校を変更することを迷っている受験生に、”どういった観点で変更を考えるべきか”についてお話ししていこうと思います。

 

 

志望を下げる=逃げでは決してない!

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 進学校の生徒ってやっぱりレベルの高い大学に行きたい。でも学力とか、センター試験(今年から廃止となっていますが)の点数が足りないから、仕方なく志望を下げるケースってよくありますよね。僕の高校でもそういう人はかなり多かったです(受験って厳しい・・・)。更に僕は文系の特設クラスに入っていたのですが、みんな優秀で、早いうちから”東大講座”とか”京大講座”とかを受けているから、クラスメートの志望校なんてすぐに分かる。そうなると、「あ、あいつ志望下げたな」ってすぐに分かるんですよね。こうして、周囲に志望を下げたことがバレることに引目を感じている生徒って多いみたいです。でも、僕は絶対に引目を感じっるべきではないと思うんです。だって、”入った大学の優劣がそのまま人生の優劣になるわけではない”から。どんな大学でも、自分から行動すればいい結果が伴います。そのチャンスの数が多いか少ないかだけです。志望を下げることなんて結構みんなしています。その時期が違うだけです。自信を失うようなことにだけは絶対にしないでください。・・・そもそも志望を変えなくても落ちたら元も子もないですから。(僕は結局東大落ちましたし笑)

 

危険なのは”志望を下げて意識も下がること”!!

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しかし、志望下げについて絶対にしてはいけないことがあります。むしろこれだけ覚えてくれればいいです。それは”意識も下げる”ことです。基本的に志望変更は高一、高二の段階を除けばレベルの低い大学を受けることを意味します。高三の時に結果がでないとなれば仕方ありません。確かに志望を下げれば合格率は上がりますよね。周りのレベルが下がりますから。でも、確実に合格できるわけではありません。早慶逆転合格とか、秀才が東大、京大に落ちるなんてエピソードは数えきれません。努力を怠れば必ず能力は落ちていきます。貯金が減っていきます。そして合格する、という執念がなければ運が味方してくれません。志望を下げたのに落ちる、なんて最悪のシナリオは絶対に避けましょう。

 

志望校変更を考える上での要素    

それでは具体的に何を基準に変更を検討するべきかを紹介していきます(★の数は優先度です)。

①受験難易度(★★★★★)

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 これは一番重要ですね。ただ受験するだけでは意味がありません。受かってなんぼですから。今現段階での第一志望とはどのくらい自分の学力的な差があるのか、そして自分の(これからの成長も含めた)実力で合格しても何もおかしくない大学はどこなのかをしっかり見極めること。むしろこれ以外は考えなくても良いくらい大切です。そのために使えるコンテンツを紹介します。

 ⑴模試の判定

 

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  これが一番信頼できます。特に難関大学であれば河合塾駿台の主催する冠模試(東大実践模試とか)を毎回受けて、自分とライバルの点差や、合格ラインのどの辺まできているのかを可視化することが手っ取り早いです。よく「模試の判定は当てにならない」と言われますが、上記の問題は塾のベテラン講師陣が研究を重ねて作っているもので、採点基準もしっかりしているので信用してもいいのでは?と思っています(そんなこと言ったら全てが信用できませんしね)。ただし進研模試など、実際に自分のライバルでない人たちも参加してくる模試での判定は・・・正直当てになりません。僕は進研模試で総合偏差値92.3とか出ましたから。もちろんそんな実力ありません。

 ⑵本番の試験データ

 

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  これは大手予備校とか進学校が保持している、”去年の先輩は何点とって合格したのか?”が分かる資料です。河合塾とか駿台はかなり膨大な情報があります。受かった生徒はこの時期の模試で偏差値がこのくらいで・・・とか、本番で数学を平均してこのくらいとってくる、とか結構詳しいです。僕はこの情報は結構大事だな、と思っています。現役の時に、東大の国語が冠模試で半分も取れていないことで落ち込んでいたのですが、予備校の情報を見ると、”模試で半分取れている生徒は、本番で8点程度上がっている。更に合格者平均点も半分程度のこともある”ことが分かりました。もっと早く知っていればそこまで落ち込まずに、国語を無理にあげようとはしなかっただろうに・・・と後悔しています。そうした情報があるかないかで受験戦略も変わってきますし、志望校を必要以上に下げなくても良かったのに下げてしまった、なんてことも起きてしまいます。

 ⑶同じ志望の友達

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  できるだけ身近で、何を勉強しているのかとかどのくらいの実力を持っているのか分かる人がいいと思います。いくら情報があっても目に見えない人の情報だけでは不安になるのが人間です。ライバルがどのくらい自分と差があるかは数字だけでは見えてきません。ですが知り合いのライバルなら何をどのくらいできるかよく分かるし、何回も点数を比較できるのでより正確に分かります。使えるものはなんでも活用しましょう。

 

②変更の時期(★★★★☆)

 

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 「いつ変えるか」も重要な要素ですね。結論を言えば、”早い方が変更しやすい”ってことですね。突然なんですが、受験生が一番多く志望校を変える時期ってどこだと思いますか??

・・・考えるまでもなくセンター試験後ですよね。センターの点が足りないから国立を諦めて私立に行く。センター失敗したから医学部を諦める。日常茶飯事です。ですが現実的な話をすると、この時期に変更するのともっと前から変更するのとでは差があります。残り1ヶ月のところで質も量も違う問題に対応しなければならないプレッシャーは想像以上だと思います。これは科目の多い難関大になるほど顕著です。僕の同級生で東大からセンター後に一橋に変更したものの不合格だった子もいます。遅くなればなるほど、志望を変えずに挑戦した方が勝率が高い、なんてことも考えられます。

ただあまりに早い時期に諦めてしまうのもおかしな話です。自分の成績の将来的な伸びやモチベーションと相談してみて、変更することが賢明と判断できたなら早く決断することも大事です。

しかし理想を言えばそうした状況に備えて第一志望の勉強の傍らでレベルを下げた大学の問題にもなれておくといった作戦がベストですね。

 

③受験科目(★★★★☆)

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 志望校を変更する際にレベルを下げたから余裕が生まれるわけでは決してありません。受験に必要な科目がどう変わるのか、しっかりと把握しておくことがとても大切です。具体的に見ていきます。

 ⑴国立から私立に変更

  よくあるパターンですよね。文系だと私立は国語、社会、英語、小論文のうち2、3科目を課されることが多いですよね。数学が社会と選択できる場合もありますが。理系では英語、数学、理科のうちから課されると思ってもらえれば大丈夫です。国立志望だと5教科することがほとんどですから、負担は5→3でかなり楽です。何を勉強しなくて済むのか、逆に何に今以上注がなければいけないのか把握していきます。

 ⑵国立から国立に変更

  基本的にはセンター試験(共通テスト)を受けなければいけないので、勉強する科目は変わりません。しかし二次試験で科される科目は変わってきます。特に東大や京大志望の方は注意です。例えば僕は東大から京大に変えた時、二次試験の社会科目が減りました(世界史がなくなった)。京大から阪大に変える場合は社会自体が必須でなくなります(数学と選択できる)。理系だと東大から京大に変えても負担は変わりません。ただ理科が2科目から1科目になるケースはよくあります。

 ⑶私立から私立に変更

  受験科目は基本的に変わりません。さらに言えば私立は国立と違って乱れ打ちも可能なので、第一志望を下げる必要がないかも知れません。

 ⑷その他

  大阪大学経済学部では、センター試験で倫理政経を必須としています。もし僕みたいに京大受験のために日本史・世界史を勉強してきた人が阪大の経済学部に下げようとすると、新たに倫理政経をしなければなりませんね。このように募集要項によっては自分の科目が使えない、というかなり嫌がらせ的なことも起こりえます。

 

④下げて満足できるか(★★☆☆☆)

 

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 精神論になってしまうのですが・・・志望を下げることはある意味妥協になってしまいます。仮に合格した後に、「やっぱり挑戦しておけば良かったかも・・」「なんか自分のレベルに合わない気がする」なんて思っている自分が想像できたら変更は考え直してください。僕自身、妥協する形で早稲田に入った後に「まだやれたんじゃないか、逃げたんじゃないか」と思ってしまいました。志望を下げたのではなく滑り止めに進学したので事情が違いますが。こうなると不幸だと思っています。大切な選択ですから、皆さんには僕のような思いをして欲しくないんです。周りの目とか気にしないで、データだけに頼らないで、自分の気持ちも大切にしてあげてください。

 

 

まとめ

 以上のような観点から、自分にあった大学をしっかり見つけて、下げる必要を感じたら下げるのも重要な戦略だと思います。繰り返しますが下げるのは逃げでも恥でもありません。むしろ人生における積極的な判断です。下げたら下げたで後悔せずに、ベストと尽くしてください。